· 

遠回りしたっていいじゃない。美大受験の【体験談】

 

受験のシーズンですね。

もう20年以上前になりますが、私も受験生やってました。

 

その頃のことを思い出しながら、

気付いたこと、感じたこと、今だから思うこと、

などを少し書きます。

 

 

受験に失敗、浪人生活


 

私が受験したのは美術大学。

 

勉強は嫌いでしたが、絵を描くのは好きでした。

そんな理由で単純に「受けてみよう」と思ったのです。

 

でも、現実は甘くなく失敗。

 

結局、私は3年間浪人生活をおくります。

 

浪人は当たり前の美大受験の世界ですが、

苦労した部類ではないでしょうか。

 

しかし、遠回りはしたけど

「私にとって必要な時間だったし、いい経験になったな。」

と今は思えるのです。

 

 

時間がかかった原因、

まあとにかく視野が狭すぎました。

 

美大受験は鉛筆デッサンや油画などの実技試験があるのですが、

それも受ける大学によって傾向と対策が全然違う。

 

そのことを全然知らず、というか調べもせずに

「一所懸命絵を描いてればなんとかなる!」

と思ってたんですね。

 

「一つのことに集中して一生懸命は素晴らしい。」

という固定観念に縛られすぎ、それどころか

 

「一つのことさえやってれば大丈夫なんでしょ。」

と、自分にとって都合の良い考えにすり替わっていたように思います。

 

美術の予備校に通い、絵は描いていたのですが、

その考えのせいで狭い視野はそのまま、

 

「手を動かし、一生懸命絵を描いているのになんで?」

と、成長を感じることもできずに悶々とする日々でした。

 

 

転機、受験からちょっと離れる


 

2年間は予備校に通い、しっかり浪人生活をしていました。

 

でも3年目はなんだかちょっと自分でも

「どうしたもんか?」

と、よく分からなくなり

 

学校には通わず、バイトをして生活費を稼ぎつつ、プラプラしていました。

 

一般的に見て、あまり良い状態ではなかったんだと思いますが、

私にとっては良かった。

 

「一生懸命、一つのことに集中しているんだ!」

という偏った思い込みから、

 

ちょっとではありますが解放されることができました。

 

そのことで、頭が柔軟になり、

自然と人の話や周りの様子が入ってきて、

 

何より自分の頭で物事を考える事ができるようになっていました。

 

 

バイトの単純作業でも、

「どうしたら効率よく気持ちよく作業できるか。」

とか、自分で考えて工夫できるように。

 

「あれ!?なんか最近こうゆうの忘れてたな。」

と、前は普通にやっていた事なのに受験にやられてすっかり麻痺してました。

 

自分で考えて感じて工夫して何かを作り出す。

それって楽しい事です。

 

絵を描くことの楽しさもそこにあったはずなのに、

すっかり忘れてただただ手を動かしていたのです。

 

そのことに気付き、「もう一度受験してみよう」

と、三度目の受験でなんとか受かったのでした。

 

 

まとめ


 

「視野を狭くし、一生懸命1つのことに集中する」

を履き違え、

 

もともと狭かった視野をさらに狭くして、

窮屈になってた事に気付くのに三年もかかってしまった私。

 

だいぶ遠回りしてしまったなと、

時間を無駄にした気持ちもありますが、

気付けて良かった。

 

人生100年時代。

 

それを考えたら数年の遠回りは全然ありです。

 

多少、人より時間がかかっても、

自分にとって貴重な発見や気付きに繋がれば、

その後の人生の糧にきっとなります。

 

 

それでは今日はこの辺で。

 

 

 

【関連記事】

過去に学んだこと、身につけたこと、時間がたって生きてくる